医薬品の成分としても使用されている

アミノ酸は、体の隅々にわたり、私たちの健康を支えています。病気の治療や回復にも、この力が欠かせません。医療の分野で活用されているアミノ酸の働きを見ていきましょう。

肝臓の病気とアミノ酸

肝臓は重要な臓器でありながら、症状が出にくいため「沈黙の臓器」とも言われています。

アルコールの代謝でダメージを受けた肝臓には、システインが不可欠。二日酔いに効くと言われる医薬品の成分にも含まれています。

お酒の飲み過ぎで脂肪肝になりかけているときは、断酒とともにアミノ酸のスレオニンが効果を発揮。脂肪に肝臓がつくのを防いでくれます。

また、肝不全の患者さんにはアミノ酸のバランスを調整した製剤が効果をもたらします。特に、肝臓を作るバリン、ロイシン、イソロイシンなどが不足しがちで、重篤な症状を引き起こすこともあるため、アミノ酸製剤を使った治療は重要です。

腎臓の病気とアミノ酸

アミノ酸が多いと、腎臓でろ過されて排出されます。しかし、腎臓の機能が低下すると腎不全などの病気が起こります。腎臓の負担を防ぐため、人工透析と一緒に、たんぱく質制限を行うケースが主流です。

しかし、たんぱく質が少ないと栄養失調を招くため、腎臓機能に負担がないようにしながらも、バランスの良いアミノ酸を摂取することが重要となります。腎臓病の人のための特別なアミノ酸補液などが、医薬品として使われています。

手術の時の輸液にも使用

病院での手術では、体に大きな負担をかけます。術後は体の免疫力・体力・機能ともに低下するため、アミノ酸の補給が欠かせません。手術に使われる輸液にはアミノ酸をはじめとした糖分、ビタミン、脂質、ミネラルなどが配合されています。

以前は、アミノ酸の代わりにたんぱく質を用いて静脈内に注入しようと考えていました。が、動物実験で動物が死亡したのをきっかけに、たんぱく質でなくアミノ酸を用いることが不可欠だと言うことがわかりました。

近年の技術開発により、生産技術が進歩したため、現在ではアミノ酸輸液が簡単に作られるようになっています。

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