食べ物の美味しさも含まれるアミノ酸で決まる

アミノ酸の割合や組み合わせ、量によって、私たちが感じる「美味しさ」も変化します。具体的な例を見ていきましょう。

カニやウニの味と「アミノ酸」

独特の風味が美味しい、カニやウニ。これらの味を決めているのもアミノ酸です。

ズワイガニに含まれるのは主に

  • グリシン
  • アラニン
  • アルギニン
  • グルタミン酸

の4種類。それに2つのミネラルと核酸が含まれて、ズワイガニの味を決めています。アルギニンの苦味と、グルタミン酸のうま味などが、ズワイガニらしい味のポイントです。

また、ウニには主に

  • グリシン
  • アラニン
  • グルタミン酸
  • バリン
  • メチオニン

と、5種類のアミノ酸と、2つの核酸が含まれています。ウニの独特の苦味はメチオニンから来ており、これがないと、カニとあまり変わらない味になることもわかっています。

西洋でトマト文化が発達した理由

ダシ文化のない西洋では、トマトがさまざまな料理に用いられてきました。これも、トマトに含まれるアミノ酸が関係しています。

トマトに含まれるのは主に

  • グルタミン酸
  • アスパラギン酸

の2種類。グルタミン酸のうま味と、アスパラギン酸のさっぱりした酸味が4:1の割合の時、最もトマトらしい味になることもわかっています。

実は、トマトが食用となったのは、ここ200年ほどのことです。

スペイン人がアステカ帝国を征服した時に、トマトを持ち帰りました。当初、トマトは有毒植物と見た目が似ていたことから、観賞用とされていました。しかし、伊で一部の貧困層の人々がトマトを食用にできないか考え始め、200年にわたり開発を行いました。結果、18世紀頃には、地中海地域を中心にトマトを利用した料理が広まることに。トマトソースのパスタや煮込み料理など、さまざまなトマト料理文化が花開いたのです。

「今ではトマトなしでは考えられない」というほど、ヨーロッパの料理に馴染んだトマト。ダシ文化のないヨーロッパでは、トマトの持つうま味が、料理に革命を起こしたと言えます。

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